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アラフォー女の日常・・・
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日曜日、池袋に出たついでに、日食メガネを買おうとしたら、「日食メガネは完売です」の無情な立て札が・・・
まあ、一瞬肉眼で見たって別になんともないだろう(直射日光が一瞬ぴかっと目を刺したところで失明するわけではないので)、と思い直しました。

月曜の朝は、薄曇りで雲がうまいぐあいに日食グラスになって、きれいに光の輪が見えました。
買わなくてよかった!
近所の人もけっこう家の外に出て空をみていました。道を歩く人も、空をみている人につられて空を見上げ、携帯を取り出して撮影したりしていました。

母がもし生きていれば、人生で2回、日食をみた人になれたのに。

母は、「10歳ぐらいのころ、登校中に急に空が真っ暗になって、びっくりした」と言っていました。
昭和18年2月5日の皆既日食をちょうど見たようです。

今回生きていれば、大阪はちょうど金環日食が見られるところだったので、人生で2度日食を見れたことになったのですが。

 *

帰りは、ちょうど、副都心線の渋谷駅ホームで乗客が他の乗客を刺した事件にいきあたってしまいました。あと5分早く会社を出れば抜けられたかもしれませんが。

ちょうど、18:20分ぐらいに渋谷駅に着いて、そのとき「乗客トラブルで」ということだったので、「ちょっと立ち読みでもすれば解消するでしょう」と思って、本屋で立ち読みしていました。(ひょっとしたら刺した人が近くにいたのかも・・・)

立ち読みしたのは、

新月譚
という新刊単行本で、「断筆した美人作家の壮絶な半生」とかいううたい文句で、手にとりました。
「どうせ、男がいて、その男を愛しているのに妻にしてもらえない日蔭の女の話だろう」という先入観と予想を持って読み進めていって・・・・・・みごとに先入観をうらぎ・・・りませんでしたorz~
(この先ネタばれ注意。)

読みやすいんだけど先がほぼ完全に読めてしまって・・・
地味で平凡な女性がたまたま転職した小さな貿易会社の若い社長に「自分を認めてもらって」それ以来その社長以外ありえない状態になる。
エヴァンゲリオン風にいえば、はじめて「自分」を認めてくれたカヲル君と出会ったシンジ君という感じ。
社長さんはやり手でいつも美人な女をとっかえひっかえしていて、主人公は「自分はブスだから」とかってにひがんで「相手にしてもらえるだけでも」と甘んじている。

しかし美人モデルさんから社長さんを競り勝って、得意になって学生時代の友達に社長のことをノロケたらあっというまにその友達に社長をとられてしまう。友達は典型的な性悪女で、だから社長に「あの娘は性悪よ」みたいなことをバカ正直に言ってあきれられてしまい、かえって社長と友達は結婚してしまう。
「自分の顔がブスだから」と思いこんだ主人公は、親を責めて整形費用を出してもらい完璧な美貌を持つようになり、別の会社に就職するが、近寄ってくる男はみんな顔目当てなことが分かりかえって人生に失望する。

そこから小説を書き始め、何度かの失敗のあと、文学賞をとり、美人なことで話題になり、もと恋人の社長が連絡をとってくる、そしてよりが戻る。
社長は今は離婚寸前の夫婦仲で、主人公と逢ったことで友達は半狂乱、会社まできて「人の夫を寝取る性悪女!」と喚き散らされて会社はクビ。
しかしこのことで、社長と友達は離婚し、晴れて社長と主人公は恋人同士。
執筆活動は多少の紆余曲折があっても話題作を出せるようになり順調。
でも「整形する前の本当の私を知って愛してくれるのは社長さんしかいない」という妙な理屈で、社長がどんなひどくても、他に素敵な男性が現れても結局社長のところにもどっていってしまう。

社長さんと結婚したいと思ってるくせに、なぜか自分から(社長さんと対決することすらなく)日蔭の女の地位にいる。売れっ子作家になって社長よりよさげな男性から交際を求められても、「過去の自分を知ってる唯一の人間」の社長さんについていってしまう。
で、社長さんが「ビジネス拡張のために忙しい」というのを全く疑わない。
社長さんの「ビジネス拡張のため」の「パートナー」は女性で、ビジネス支援してもらう見返りに彼女と結婚する、と言われても半狂乱にすらならない主人公。
「その彼女はただのビジネス相手だ、私は彼にとって彼が果たせなかった、創作という夢を叶えている彼の唯一無二の存在だ」と勝手に思い込んで・・・。

しかし、あるときそのビジネスのパートナーである女性の顔を見て愕然。
老けたブスだったのを見て、いままで美人を漁ってきた社長さんのことを考えると、むしろ本命の女性だったのだと悟る。し
かしここでも主人公は半狂乱にならない。
「こんな年をとった女性なら子供は産まないだろう」と考えて。(相手の女性が37歳にもなってるから産めないだろう、と考える女は居ないだろう・・・ここは男性作家乙って感じ。)
で、社長さんに「あなたの子供が産みたい」と言ってみたが、渋る彼に、それ以上頼みこんだりしない。勝手に「子供を持つタイプじゃないのだ」と考える。
「自分は彼の唯一無二の存在だ」と思い込んで・・・。

そして、奥様が42歳になったとき突然妊娠。しかも安産で娘が生まれる。そ
れから急速にパパになっていく社長さん。
それでも、自分に子供すら持たせてくれない!と社長さんをなじることもしない主人公。
それでも10年ぐらい、自分は彼の唯一無二、と思い込んでいる愚かな主人公。

最後、社長さんの娘が心臓移植しないと助からない病気になって、社長さんは「娘のために1億円出してくれ!」と主人公に頼み・・・
主人公は社長さんをなじることもなく1億円を出して(売れっ子作家になった主人公にとっては額面は大したことないでしょうが)、「彼の唯一無二は娘さんだ」と悟って断筆・・・。

はあ・・・
読み終わってぐったりと脱力感・・・。

話がほぼ予想通り。
私の予想には、主人公には中絶させる(そして妻には子供を産んでもらう)身勝手な男があったのですが、それだけはなかった、ただそれ以外の私の予想はほぼすべて当たった。(実際、主人公には子供をあきらめさせて、妻との間の子供を助けるお金を出せって、上の中絶バージョンにほぼ相当するよね。)

正直いって、「男性作家の妄想乙!」って感じ。
こんなに「男の都合のいい女」ってある?

もともと主人公の「スタイル」をほめたのは社長さんで、要するに体つきに欲情してたんだよね。体つきが好みな女が、顔を整形してまで自分についてきてくれる、しかも他の女と浮気をしても「自分はブスですから」と卑下して妻になろうとしない。
他の女と正式に結婚しても、「ビジネスの相手だ」という男の表面的な言い訳を信じて自分が心の本命だと信じるおめでたい女。子
供を産みたがる女に、一言嫌そうな感じを見せるだけで勝手に諦めてくれる女。
妻に子供ができても喚いたり引っ掻いたり半狂乱にならない女。
そしてその子供の心臓移植手術費用1億円がポンと出せる女!(これは新しいな!)
しかも社長さんその1億円を返済している雰囲気ないし。

この社長さんに人間の心あるんでしょうか?
自分との子供を産みたがった女に、あきらめさせて、他の女とつくった子供を助ける金をくれって。

それで筆を折ったことで主人公がどう思ったか気がつかないんだろうか?
その女が10年以上経って事故で死んで、死の直前にその話を聞いた編集者から言われてやっと「僕は彼女のことを何もわかってなかった」。

こんな、心の冷たい、人間とは思えない男性についていった主人公に、とても「人間心理をえぐる傑作」を書けたとは思えないのです。
せめて、最後に「みじめね。子供を諦めさせた女に他の女の子供を助けろっていうの?」ぐらい言わせればよかったのに。

それも言えない、人と対決せず、ただひたすら、人生の初期に「わたしをみとめてくれた初めての、そしてたった一人の人!」と、その後20年以上、女としての幸せを全部投げ捨てて、浮気性で自分のことしか考えないつまらない薄っぺらい男についていったつまらない女に、何が書けるのかわからない。

正直いえば、「自分を認めてくれたはじめての人」を殺さなければならなかったエヴァンゲリオンの碇シンジ君のほうがまだ人間として深みが出そうです。

21歳の小娘に、33歳だったか35歳だったかの社長さんは「計り知れないほどの知識を持った大人の男」に見えたでしょうけれど、それを49歳まで持ち続けるのがあまりにも・・・
42歳の私には、社長さんは、「女とヤりたい盛りの、口先だけで、薄っぺらい博識を小娘にひけらかして悦にいる哀れなほどつまらないくだらない相手にしたくない男」に見えるんですが・・・。

せめて、社長さんが2度目の奥さんと結婚するか、それとも奥さんと子供を作ったところでこの男の薄さに気づけよ。奥さんと子供を作ったときはまだ主人公は37歳ぐらいで、他の男探して子供作ることだってできたはず。

なんだか最後まで読み切って(最後はだんだん描写が駆け足になっていって、数ページで社長さんが二度目の結婚して主人公はそれがビジネス上のパートナーだからという言い訳を信じてでもその女性がブスなのをみて本命なのだと悟ってでも彼の精神的な唯一無二の存在なんだからと自分で自分を納得させてそれでもあなたの子供を産みたいとねだってみて男の顔色でそれ以上しつこくねだらず妻との間には子供ができても納得し・・・というのが続くので感情移入すらできない)、どっと疲れました。

最後ぐらい、この社長の横っつらひっぱたけ!
1億円の札束で。
それを期待して読んでいたんだからさ。

主人公の、悲壮な「自分が社長にとっての唯一無二でなかった」悟り=「断筆」は、社長さんにはぜーんぜん伝わってなかったんだからさ。

主人公の死後、人から聞いてようやく「何にもわかってやってなかった」だって。
その間「1億円出してくれる女がいて、娘助けられて、俺は幸せだー」だったって思って10年ぐらいを生きていたということだよね。

そのあと主人公は社長さんと関係を持とうとしなかったでしょうし、それをいぶかしく思わなかったのでしょうか?娘さえ助かったら後はなんでもいいんでしょうか?
あるいは「娘を助けてくれた命の恩人」に、お金を少しずつ返済しなかったんでしょうか?
そうやって連絡をとっていれば、今までとは違う相手の女に気がつかないんでしょうか?

申し訳ないけれど社長さんをみると、「20年近く女を都合のいい性欲処理相手にして、しかもその女から自分の娘を助ける1億円を無心して、娘が助かった後は9年以上しーらね」したとても人間の心を持ってるとは思えない冷たい男だとしか思えない。

読み終わってこんなにイライラした、読んでしまった自分に自己嫌悪を感じる小説は久しぶりでした。

私こんな男嫌だ!
こんな男に規定されている主人公の女も嫌だ!

 *

読み終わって、渋谷駅に戻ったら、まだ改札口は閉鎖されたままで、どころか警察やテレビ局が押し寄せていて、ようやく「乗客が人を刺した」ことがわかりました。
振替乗車券をもらってJRで帰りました。

なんか疲労感はんぱなかったです。

 

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無題
買ってから「お金払って損した!」って言うなら分かりますが、
お金も払わずに最初から最後まで立ち読みして、偉そうに文句つけるのはどうかと思います。
内容に関係なく。
Posted by ありす 2012.05.24 Thu 04:38 編集
無題
貫井氏はね~ 
叙述トリックが多くて、それなりに引っかかったりするのですが、
そのパターン以外は、あまり面白くなかったかも。
新境地などと書かれると、文庫化された時に買ってしまうかもしれなかったので、レビューをありがとうございました。
Posted by Zebra 2012.06.04 Mon 19:28 編集
ゼブラさんコメントありがとうございます
ぜひゼブラさんがどういうご意見かもこの作品については聞いてみたい気がします。
Posted by るーかん 2012.06.06 Wed 06:50 編集
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